2011年05月02日

川本先生からお礼のお手紙

川本先生からお礼のお手紙




















福島大学陸上部監督
川本和久先生から「チャリティー陸上教室」の
お礼と終了報告のお手紙が届きました。

その全文です。

負けんな、福島!立ち上がろう、福島!!
復興支援陸上教室 開催ご支援のみなさま

拝啓、陸上教室最終地の帯広を後にして、機上にてこのお便りを書いていま
す。このたびの復興支援陸上教室開催にあたりまして、温かいご支援、ご協力
いただき本当にありがとうございました。改めてお礼申し上げます。

思い起こせば、6週間前、私は市原市で地震にあいました。3日後に福島に
車で戻る道中、日にしたのは、震災の被害に崩れた建物と寸断された国道を懸
命に復旧している人たちの姿でした。わずか3日で、道路の数々の段差や亀裂
の修復を完了しているのです。ここで活動している人たちのご自宅も恐らく震
災の被害は受けているでしよう。それでも、復興のためにこんなに早く立ち上
がり、働いている姿に目頭が熱くなりました。

私の自宅は、幸いに食器類が割れたり、物が散乱する程度ですみました。た
だ、断水で水のない生活を強いられました。これとて、懸命の復旧作業する方々
のお陰で、 1週間で普通の生活に戻ることができました。ガソリン不足、食糧
不足、迫り来る目に見えない放射能の恐怖。福島中がじっと息を潜めて、暴れ
原発の収束を祈っていました。

被災から1週間で普段の生活を取り戻してから、
「この一大事に何かしたい、何かしなくては、何ができるのか」という思いが
ずつと頭から離れませんでした。これは、震災直後に道路工事をしていた人た
ちの姿が大きく影響していると思います。それこそ、教え子たちの多くは教員
をしています。彼らは、「今こそ、世のため、人のために君たちの力が役立つと
きだ」というメッセージを受けて、寝る間も惜しんで、避難所などで活動して
います。メールや電話で教え子を励ますだけの毎日でいいのか?でも、何もで
きない自分がいる現実もあります。技術があれば、原発に飛んでいって、放水
でも何でもやるのですが、その技術すらありません。自分ができることは、一
体何なんだ?と自問自答した結果「陸上競技」しかないことに気がつきました。

福島県に住んで、27年。ここまでやれたのは、福島県を始め県民の皆さん
の応援があったからこそです。何とか第2のふるさとに恩返しをしたい!とい
う思いから、自分がやれること・・・陸上教室をやろうと決心しました。

ただ、その時は、まだまだ強い余震が一日中続き、不安な状況でした。一番の心
配は家族の安全です。息子は大阪に就職しています。娘は東京の大学に通つて
います。二人の子供は、大丈夫だと判断しました。家内を福島に一人残すのは
不安でしたが、「あなたしかできないことをやつて来て下さい。私が家を守りま
す。」と後押ししてくれました。そのひと言で踏み出す勇気が湧きました。そこ
で、日本中の皆さんに呼びかけてみました。日本各地32カ所から陸上教室の
手を挙げていただきました。実際には、もつと多くの要望があったのですが、
日程等の都合で、お断りさせていただきました。秋田・大館・弘前の3教室は
余震の関係で中止となってしまい、関係各位には大変ご迷惑をおかけしました。
3会場とも混乱もなく、中止することが出来ましたが、ご担当の方の中止に際
しての作業は、大変だったと思います。

北海道から沖縄・石垣島まで実施した29カ所のどの教室も感慨深いものが
あります。かけっこの練習をするときの子供たちの楽しそうな表情、また川本
の話を聞くときの真貪Jなまなざし。そして、「一緒に陸上教室をやりましょう!」
と仰つてくださつた皆さんの情熱と行動力。 3月31日山形教室をスタートし
てから今日までの全ての時間を1秒たりとも忘れることはできません。日本中
の人と立ち上がるために手に手を取つていると実感できました。また、私のメ
ッセージが子どもたちの心に届けば、いいなとも思います。

3月31日から4月22日まで、全国29カ所で実施した陸上教室の参加者は、6750名を数
えました(学校の講演などはカウントしていません)。また、心からの義援金は、
当初の予想を邊かに上回る総額6, 724, 559円にもなりました。
本当にありがとうございました。

この震災に際して、陸上教室という具体的な行動を取ることができたことを
感謝いたします。それ以上に温かく励まして頂いたみなさま、本当にありがと
うございました。「チャリティ陸上教室をやりたい」とり|1本が申しましても、
現地で、実際に募金活動を行う困難さ、それ以上に陸上教室を開催して、人を集
める大変さは容易に推し量ることができます。私よりも、みなさんが、障壁を
むりやり登られた感じが致します。

日本中を回らせて頂いて、こころの安定ができたような気がします。
まだ、余震が続き、原子力発電所の明日も見えず、
福島は一体どこに行くのだろうとの思いはありますが、
我々、大人ができることは、 10年かけて瓦礫の山を取り除くこと。
そして、 10年かけて次の日本を託せる人材を育てることだと信じています。

敬具
追伸、本日、内堀副知事に皆さんから託されました義援金をお渡ししました。
内堀副知事は、涙を流して、受け取つてくださいました。

お手紙の最後に「直筆」のサインがありますが
コピーできないので冒頭の「写真」ですみません。

改めて「陸上教室」にご協力頂いた方々に
本当に感謝したいと思います。

平日の難しい時間帯でしたが、石垣島をはじめ
県内多くのチームが関わったことも子供たちが
感じた事は大きいと思います。

「10年後をみんなで目指せたら!」いい日本に
つながるかと思います。


そして
今日も「子供たちは」Aクラス練習です。
5時45分開始です。



Posted by まっぴー at 08:43│Comments(0)
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